お母さんの恋の始まり

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「また帰ってきたな。」私達は年に数回日本に帰国する。日本には長女と次女がいるからだ。例年お盆と正月には必ず帰るようにしている。 綾花は寂しがり屋だ。私や裕ちゃんは仕事が忙しく、その都度よく妹達の面倒を見てくれていた。そのぶん裕ちゃんが帰ってくると、私をおしのけてまで甘えていた。その綾花が、高校は日本で通いたいと言い出した。幼稚園で別れた親友達とずっと繋がりを絶やさなかったのだ。 そのときの約束を果たしたいと、帰国していった。祖父母と住んでいるとはいえ、やはり親に甘えたいのだろう。 綾花の表情はいつしか暗くなっていた。 しかし、帰ってみると…。 なんだかそわそわしている綾花。暗さがなくなっているでわないか。 その横でニマニマしている舞花。二人で何かあったのだなと気がついた。 裕ちゃんは全く気づいてないようだ。ただ、綾花の表情が明るくなっているのは喜んでいたが…。 「お母さん。話があるの。」 裕ちゃんがお風呂に入っているときに、綾花が話してきた。 「何?好きな人でも出来たの?」 「ツゥ…。」と言って真っ赤になる綾花。 「何?ほんとなの?」 今まで男のおの字も出なかったあの綾花から?
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