お母さんの恋の始まり

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「私に感謝してよ。」舞花が口を挟む。 「貴女がお姉ちゃんに紹介したの?」 「ううん、私のライブを見に来ていたお姉ちゃんに一目惚れしたのがいてね。あっ、これはお姉ちゃんにはまだ内緒よ。」舞花が綾花に聞こえないように耳打ちしてきた。 「じゃあ舞花の知り合い?」 「お母さん、GAKUTOって知ってるよね。」 「当たり前じゃない…。えっ、まさか?」 GAKUTO。山口プロダクションの男性エースユニット。 「そのまさか。岳斗がお姉ちゃんに惚れてM女でライブをやるって言い出してさ。交渉役に私の姉ってことで、お姉ちゃん指名して口説いたらしいよ。」 「さっきから何こそこそ話してるの?」 自分の事なのに、蚊帳の外だった綾花は不機嫌斜めだ。 「ちょっと情報をね。」ペロッと舌をだして誤魔化す。 「それにしても凄いじゃない。岳斗君って超有名人じゃない。で、どんな感じなの?」 「岳斗君いっぱいお話してくれたり、笑わせてくれたりして…。いつの間にか好きになっていたの。」綾花は恥ずかしそうに教えてくれた。 「ふぅん、いいわねぇ。で、お母さんに聞きたいことって?」 「私恋愛って初めてだからよくわかんないんだ。だから、お父さんとお母さんの恋の始まりを教えてほしいの。」 「えっ?なんで私達の?」 「お父さんって、有名人じゃない。岳斗君も業種は違うけど、似てるんじゃないかって。参考にしたいの。」
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