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だから、それを言わないでってばぁ。
葉瑠はニコニコしながら私を見る。「…。」何も言えない。言えるわけない。
「葉瑠ずるい。日本にいるときは私が甘えるのよ。」と言って、綾花は裕ちゃんに抱きつく。
「…。」いくら私でも娘にヤキモチなんて…。
綾花は私の若いとき瓜二つ。高校時代の私が甘えているように見える…。
高校時代の私は他人だったよね?だからヤキモチやいてもいいんだよね?
自分を納得させる為だけの、無茶苦茶な理由をつけ、裕ちゃんに黒い霧を吹き掛けるのだった。
「もう、お母さんたら。お姉ちゃんや葉瑠花にヤキモチやいてどうするのよ?」
舞花のキツイお灸を食らってしゅんとなった。
「やっぱり中3の時かな?」
この出来事により、裕ちゃんとの中はいっきに縮まったのである。
「どんな話?」
「小春おばさんいるでしょ?」
「葉瑠小春おばさん大好き。ママと一緒なんだもん。」
「小春おばさんや静枝おばあちゃんとは中3迄、他人だったんだよ。」
「えっ、そうなの?」子供達に初めて聞かせる話だ。穂乃花にはまだ早いかも知れないが、異性と付き合う綾花には知っておいてほしいので、話すことにした。
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