泥水の中の清流

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目的もなく散歩をしていた青年は、川に架かる橋を渡る途中に見てしまった。 深くはないが決して綺麗とは言えない川の中、汚れた小さな段ボールを必死に抱え川岸まで歩く女性の姿。 気がつけば青年は、橋から川岸に駆けつけていた。 女性は川岸の手前まで来ていた。 青年は女性に手を差し伸べた。 女性は汚れている自分の手で男性の綺麗な手を汚していいのかと、差し伸べられた手を掴むのを躊躇った。 「大丈夫?早く掴まって」 青年の優しい声に女性に躊躇いは消え、促されるままその手を掴んだ。
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