青井さんには触れられない

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「え、嘘!ちょっと行かないでよ!」 一人残された私。見るからに怪しそうな武装した人々。 ちょっと待ってよ……あなたたちと戦う許可なんて降りてないんですけど!? 「紅雄……今から私がこの人達を痛めつけたとして、《目前の危険を回避するためにやむを得ずした有形力の行使》に値すると思う?」 「ま、OKっしょ。それより標的が建物から飛び出してきたぞ」 「あー、そっちはお願い。私はこっちを片付けちゃう」 「殺さない程度にな。減給は勘弁」 「了解!」 敵は5人。まあまあ、なんとかなるでしょ。 いきなり、相手の一人が発砲してきた。 ちょっと、こんな住宅街で銃撃戦でもするつもり? 私は側にあった椅子を投げて応戦する。 そして、パンプスの裏に仕込んで置いた小さな飛び道具を相手の足元へ投げる。太ももにヒット! うっ、と呻いて一人体勢を崩したところで、もうひとつを銃を撃ってきた相手の手元へ投げつける。やった!相手は思わず銃を落とす。 スライディングして相手側陣地へ。 銃を拾い、一人を殴って気絶させる。 ついでにもう一人回し蹴りでKO。残り2人。 この人たち、武装してるわりに、戦闘は初心者みたい。動きが遅すぎ。それに、おろおろしちゃって、どうも自分で手を下す気がない感じ。 私はキッチンに逃げ込み、武器になりそうなものを探す。 「殺さない程度にって、一番難しいんだけど……!」 一人には小麦粉を投げつけて目くらまし。 もう一人には護身用ライトで目くらまし。 もたつく2人を麺棒で殴っていっちょあがり。 太ももを負傷した一人に近づきスペアの麻酔針をパチリ。 「まあ、こんなものかな。紅雄、終わったよ。そっちは?」 「はいはーい、真白ちゃん。お疲れ様」 「その声は青井さん!紅雄は無事?」 「大丈夫だよ。運転手くんは後部座席でおとなしくしてるよ」 「待ってなさい!今行くから!」 私は急いで車に向かった。
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