兄の謎

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棚を開けると、 ぎっしり皿やコップが詰まっている。 (母親と2人暮らしの時はこんなに無かったな… 父は海外へほぼ行ったきりだから… こんなに増えたのはあいつのせいか。) 俺はそんなことを思いながら 自分のマグカップを手に取った。 「…ーーっっ!!!!」 その瞬間、お尻に違和感を抱いた。 気づけば兄が俺のすぐ後ろにいて 俺のお尻を鷲掴みしていたのだ。 「ねぇ、無視…?知くん?」 この声のトーンの低さ… 間違いない。 キレてらっしゃる。 妙に生々しく、耳元で言うので こちらも全身鳥肌ものである。 「まだ…?無視すんの?」 お尻に力が入る。 普通に痛い。尋常じゃないくらい痛い。 「…痛い(ボソッ)」 「え、なんて?」 「痛いです。」 あまり会話したくない俺は 自分の気持ちだけ伝えた。 「他に言うことは?」 「ほ、他…他に…?」 「早く」 今度は両方お尻を掴まれた。 「…ーーっ!!」 「はい、どーぞ」 「…ご、ごめん…無視して…」 「はい!いいよ~」 そう言って兄の手は俺の尻から外れた。 …キレたくらいで尻を掴むか?
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