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「せんせー、早く紹介してよー」
「そーだよ、どーせ男なんだからよ~」
「転校生来たくらいで騒いでんじゃねぇよ」
男子校だから転校生は男に決まっている。
共学でよくあるような男なのか、女なのか
そんなドキドキがあるわけない。
「ん?そうか?じゃあ入ってきてもらおう!
どーぞ、入ってきなさい。」
みんな釘付けになった。
背が高く鼻筋が通っており
うっとりした瞳…
黒髪…さらさら…
魅力的で…悪魔的な…
…ん?
あれ?この顔…どこかで…?
「新しく来た、如月麗くんだ。みんなよろしくするんだぞ!!!!
さぁ、如月、自ら自己紹介を!」
先生が大きな声で言う。
「はい。如月麗と申します。
陰暦の2月で如月。麗は端麗の麗です。
よろしくお願いします。」
如月と言えば2月の陰暦以外に
どのような漢字が思い浮かぶのだろうか…。
こんなに丁寧で透き通った声…。
間違いない、俺が夢で見たやつまんまだ。
(予知夢かなんかだったのか…?
しかしすごい偶然…)
俺が1人で感心していると
如月が俺の方へ歩いてきた。
どうやら俺の右横が空いていたのは
このためだったらしい。
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