淫夢の転校生

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如月は俺の隣の席に座った。 よくよく見るとほんとに 人間なのかと疑うくらいに 爽やかでイケメンである。 俺はコミ障なので話しかけられないが…。 「ねぇ、君。教科書、見せてくれない?」 すると彼から話しかけてきた。 どうやら教科書がないらしい。 転校生あるあるだな。 俺は静かに机をくっつけ無言で教科書を見せた。 「あ。ありがとう。君…名前は?」 俺はスっと教科書を裏返して名前を見せた。 「中村…知也…くん?…素敵な名前だね。」 いやいやいやいや? あんたに比べたら 俺の名前なんて平凡を極めてますけど? 同姓同名何人もいるだろうと思われますが? 「君、喋らないの?」 まだ質問を投げかけてくる。 逆に聞きたい。 お前、黙らないの? 「お、如月。なに、中村と話してんの?」 如月の前の席、加藤が話しかけている。 お調子者で入学当初、 何故か俺にすげぇ話しかけてきたやつだ。 俺は無視を決め込んでいたから いくら話しかけても無視したが この加藤だけは折れずに たまに話しかけてくる。 まじ空気にさせてくれよ…。 「そいつダメだよ。 俺が何回話しかけても 答えないから、俺は 声を聞いたことすらねぇからな。」 どやぁと如月にドヤ顔を見せる。 いや、ここ、ドヤるとこじゃないから。 間違ってるからね? ほら…如月もめっちゃ苦笑いだし…。 と思っていたら案外フルスマイルだった。 「あはははは!!面白いね!君!そこドヤるところじゃないけど」 「え、そう?あ、俺加藤秋!よろしくな」 「うん、よろしく!」 あー…友達ってこうやって作るのか… めんどくさい。
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