第6章待って私も伝えたい気持ちがあるのに

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第6章待って私も伝えたい気持ちがあるのに

休みが終わり学校に行っても拓矢と雅は廊下ですれ違っても屋上のランチで同じになっても一切目を合わせない (部長)雅ちゃんこのごろ顔見せないなぁ 雅のクラス情報によると放課後もずっと調理室にこもって料理研究に没頭してるらしい ある日はゼリーをかき混ぜるボウルと泡だて機の音またある日はブリオッシュのバターの香りが風に乗り構内へと運ばれる 彼女の作るスウィーツは誰もが虜になる一品 明日はいよいよ1週間の研修を終え藤白拓矢が北海道の高校に帰る日 (た)皆さん色々とありがとうございました (A助)北海道でも頑張ってな (E美)たまにはこっちに来てね気を付けて。 写真部は拓矢を見送るため電車のホームまで来ただがそこに雅の姿はなかった まぁ無理もないか雅今日は『SMILEシーサー』忙しいもんな拓矢は少し寂しい笑顔のまま乗車するとすぐ部員たちが横を向いたその方向には (た)みやびっ ジリリリリ『まもなく3番線 北海道さっぽろ行き列車がはっしゃいたします』 あぁ私の足もっと速く動いてこれを拓矢さんに プシューカタカタカタカタゴォーーーーだんだん速度を上げ走り去ってゆく電車 その背をじっと見つめ悔しさと悲しみの涙がほおをたどる (み)とどかなかった 私の思い本当の気持ち  恋とは一つのかけ事に過ぎない、そうキイチゴの甘酸っぱいゼリーみたいな
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