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「なぁ、茜から俺のことぎゅっとしろよ」
「え!?」
口調は俺様なのに、似合わないかわいいお願い。
「してくれないの?」
甘えたようなその口調に彼への愛しさがこみ上げる。
「……いいけど、急にどうしたの?」
竜くんは2人になると突然甘えてくることがある。
そんな竜くんはあたししか見ることが出来ないから、嬉しく思うんだ。
「今日、8月9日だよ」
「はちがつここのか……」
「数字をよく思い浮かべてみなよ」
竜くんの言葉に8と9の数字を頭に思い浮かべる。
「あ!はぐ!」
「そ。今日はハグの日なんだよ」
お姉さんの影響で〇〇の日に詳しい竜くん。
「じゃあハグしてあげる」
竜くんの向かいに座ってぎゅっと竜くんへ腕を回す。
「いいな、これ」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうにあたしに腕を回されたこの人はつぶやく。
「こういう竜くんくんを見れるのはあたしだけだもんね」
「当たり前だろ」
あたしの背中に腕を回して竜くんもぎゅっと抱きしめてくれる。
「これからよもよろしくな」
-Fin-
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