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「今日、ネクタイなおしてただろ？」
「え？」
「塚田の」
「あぁ……」
自然にやっていたことで、無意識だったのでスッカリ忘れ去ってた。
「茜は忘れてたかもしれないけど、俺はすげぇ妬いた」
「そうなの……？」
あたしが何の気なしにやったことが、竜くんの心に残ってるなんて思わなかった。
「茜が俺と前に付き合ってたやつのこと気にしてるけど、それと同じくらい俺は塚田のこと気にしてるよ」
竜くんのあたしを見つめる瞳があまりにも真剣で、胸がドキリと高鳴る。
「み、見ないで……」
なんて、思わず竜くんから顔を背ける。
「はぁ？なんでだよ」
「わっ」
竜くんが乱暴にあたしを引っ張るからよろけてしまう。
「おっと、ごめん」
よろけたあたしをガシッと掴んだ竜くんのおかげで転ばなくて済んだ。
「……ありがとう」
竜くんに掴まれた腕に熱がこもる。
すごい熱く感じる。
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