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『御早う御座います』
『…うん、お早うございます』
今朝もいつものように、僕と同じベッドで添い寝をしてくれいる彼女に声を掛けられて、僕は目を覚ましました。
『今朝の朝食も、ベーコンエッグで構いませんか?』
僕は同じベッドで横になっている、彼女の顔を見ながら頷いて。
『はい、そうですね。今朝は…、二つ目のベーコンエッグでお願いします』
彼女は僕に対して頷いて。
『はい、判りました』
『スルッ』
彼女がベッドから出て行った後に、僕は半ば無意識に彼女が添い寝をしてくれていた部分を掌で撫でて。
『うん、暖かいですね』
そう独り言を言うと僕もベッドの上で起き上がり、顔を洗う為に洗面所へと向かいました。
『カチャッ』
『どうぞ御召し上がり下さい』
寝間着からいつも室内で着ている侍女服に着替えた彼女が、美味しそうなベーコンエッグの朝食を僕の前のテーブルの上に準備をしたので。
『ありがとうございます。頂きます』
『はい。御召し上がり下さい』
彼女は僕達人間と違い、こうした形式で食事は取りませんから。一緒に食事を楽しむ事が出来ないのは、残念に感じますね。
『昨夜僕が見た夢は、美味しかったですか?』
僕と契約をしている夢魔である彼女は、侍女服姿で僕に対して恭しく御辞儀をすると。
『はい、御主人様。昨夜の御主人様の夢は、淫夢に分類される夢でした。夢の中で御主人様の御相手を勤めさせて頂いているのは、私でした』
『あー、ごほん』
僕は朝食を食べる手を止めると、少しだけ顔を赤くして。
『最初に交わした契約の内容によって。毎晩僕の添い寝をしてくれている魔魅が食べた僕の夢の記憶は、僕には残らないのですけれど。その、僕の夢に。特に淫夢に魔魅が出てくるのは、やはり嫌ですか?』
僕の問いに、夢魔である魔魅は、微笑を浮かべて。
『いいえ、御主人様。御主人様の淫夢は、とても可愛らしい内容でしたわ♪』
うん、夢魔である魔魅は、見た目は僕と同い年の女子ですけれど。実際は数千年に渡り存在していますからね。
『あー、魔魅。学校ではこの話題はしないで下さいね?』
魔魅は微笑みながら、契約主である僕に対して恭しく御辞儀をして。
『はい、御主人様。心得ておりますわ♪』
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