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【特別魔獣対策専門学校】七月二十七日午後七時半
「ああ、やっと学校についた。あの湖遠すぎる。それにしても、この乗り物以外にもっと楽で、乗り心地がいい乗り物はないのか。」
確かに、この乗り物の名前はよく知らないが、乗り心地は悪いし、狭いし、時間もかかる。でも、車とかはつかえない。だって、魔獣騒ぎの初日に、国中の給油施設はすべて壊されてしまった。ガソリンスタンドだけでなく、電気自動車の充電場所もすべてない。ガソリンの輸送船もあれから、まったく来なくて、政府も焦り始めている。だから、一番簡単で安くて扱いやすい白狼で動かす馬車(いや、狼車とでも言うべきか)に乗っている。安いだけに乗り心地は最悪だ。
「あれ、前までこんな壁無かったよね。何だろう、この分厚い壁は」
「それは、魔獣用の防護壁だ。数時間前彼女から完成したと連絡が来た。これなら、超級魔獣にでも耐えきれるだろう。多分この国で一番安全な場所はここだろう。来月までには、もう一周り防護壁が完成する予定だ。それと、中には多数の施設が備わっている。みんなが使っている武器の修理をする鍛冶屋、ファーストフード店やコンビニ等すべてここにある。簡単に言えば、ここに小さな町があるのと同じだ。それと、生徒全員分の生活する寮もある。これからは魔獣退治以外では外に出る必要はなくなるだろう。」
そうだ、アリスさんの所に行かないといけなかったんだ。彼女を待たせてはいけない。そうだ、レンを連れて行こう、レンさえいれば何かと安心できる。
「レン!アリスさんの所に一緒に行こう。なんか大事な話あるみたいだし。」
「俺はいい。カケルは、一人で行ってこい。」
「零!駆がうるさくなるから、早く一緒に行ってこい。」
「分かった。」
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