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「なんだって、恋がゲームで飼ってた妖精?らしきものだ。妖精は動物に入るかわからないが、少なくとも、これは恋にプレゼントってことに変わりはない。」
通常、ゲーム内でプレイヤーが飼っている動物は大半が魔獣だ。魔獣といっても、好戦的ではない、比較的温厚な魔獣だ。しかし、数少ないが中にはコイのように、妖精を飼っている人も何人かいた。妖精は出現率がほぼゼロパーセントで会うことが非常に難しく、その上飼おうと思ってもなかなか人に懐かず逃げてしまう。コイのように妖精を飼っている人は宝くじに当たるようなかなり運のいいひとだ。よく考えたら、この前も宝くじが当たって、いくらか分けてくれた。まあ、恋ほど運のいい奴はいないだろう。だから僕はいつもコイの運が尽きないように祈っていたりもする。
「えっ、僕にくれるの。気持ちは嬉しいんだけどね、やっぱりあの『ココ』と『ナッツ』じゃないといや...あれ、よく見たらこの子達僕の妖精じゃない。あっ、昴!ありがとう。もう会えないかと思ってた。」
イクが飼ってた妖精の名前はだいぶかわいそうな決まり方だった。『ココ』と『ナッツ』でわかると思うが、二つを合わせると『ココナッツ』になる。イクが一番好きな食べ物はココナッツを使った料理だ。ココナッツを半分に割って『ココ』と『ナッツ』それだけ?って感じだけど、それだけなのだ。それだけだから、可愛そうに聞こえてしまう。が、妖精たちはそれを気に入っているみたいだ。
「僕は『ココ』と『ナッツ』を寮に置いてくるから、適当に店見てて」
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