第三話 CLOCK&GARDIAN (時計仕掛けの守護神)

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第三話 CLOCK&GARDIAN (時計仕掛けの守護神)

「ねえ、この前駆が言ってた移動手段のことだけど、ちょっといいこと思いついた。今の時点で使える動力源は魔獣か、人力ぐらいだよね。それなら、歯車で動かしてみるのはどうかなって」 歯車なんて言葉何年ぶりに聞いただろう。大体今時歯車なんて見ることもめったにない。 「ハル、歯車だけで車とか乗り物って作れるものなの?なんか難しそうだけど」 「それが意外と作れるものなんだよ。よく考えてみたら、この学校は僕たちの学校だし、それに校則にも国の法律にも、勝手に機械を作ってはいけないとは書いていないしね。」 校則と法律には、『軍事力またはそれに匹敵するもの』の無許可での製造は禁じられているが、移動手段としてなら問題ないだろう。 「確かに、書いてはいないが、それを作るための材料はどうするんだ。さすがにそんなものまでこの学校にはないだろ。」 「零、いい質問!それは商店街の所の時計やがあったから、そこに頼んで必要な歯車を用意してもらってる。多分そろそろ着く時間だよ」 その言葉の通り、上空から運送用のヘリコプターが二機飛んできた。このヘリコプターは国の防衛用の軍用機のはずだ。なんでこんなもので運んでくるんだろう。 「じゃあ早速、零にアドバイスをもらいながら作っていこう。勿論、カケルも作ってよ」
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