第三話 CLOCK&GARDIAN (時計仕掛けの守護神)

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機体に積まれていた部品は全部で数万個。それをレンとハルが瞬時にどの部品か判断している。僕には到底不可能なことだ。さっきから気になっていたのだが、いろんな部品の中から、一つだけ音がなっている部品がある。 「レン、その音が鳴ってる部品は何?なんでそれだけ音が出てるの」 「ああ、こいつのことか。これはこの車の心臓部だ。人や動物の心臓のように動いていると思えばいい。だが、カケルはどうしてそんなところからこいつの音が聞こえるんだ。」 「なっ、カケルはこの音が聞こえてるのか。普通、耳を近づけないと聞こえない筈だぞ。どういう耳をしてるんだ。」 「いや、普通に常人より少し耳が良いだけだと思うけど」 本来歯車の心臓部の音は人間で聞き取れる人はかなり少ない。人間の心臓と比べ物にならないほど音が小さいのだ。 「確かに、昔から周りの人には聞こえない音が聞こえることは何度かあったけど、気のせいかなって思ってたからそんなに気にしなかったな。」
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