第三話 CLOCK&GARDIAN (時計仕掛けの守護神)

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「スバルは基本なんでも魔法が使えるから、その魔法で守ってもらえばいいんじゃない?」 スバルは僕やレンのように魔法を使うための媒体『魔石』を持っていないのに魔法を使うことができてしまう。この前も僕たちの前にいろいろ魔獣を召喚してたし、基本的なアイテムならなんでも出てくる。多分、スバルが使える魔法は上級魔法以上だろう。スバルに使えない魔法なんてあるのだろうか。術式さえ分かればマナの所持量に関係なく使えるだろう。 「駆が言ってるような魔法は確かにあるんだが、その魔法は効果が半永久的なんだ。一度対象に発動したら、魔獣でもなんでも近づけなくなるけど、まだその魔法の解除方法が分からないんだ。そういう意味ではかなり危険かもしれない。」 「死ぬくらいならその方がましだ。スバルお願い。」 「分かった。ただ、術式が長すぎるから、失敗しないようにみんなは静かにしてて」 その言葉の通り、本当に長い。通常の上級魔法でも十五から二十の単語で構成されているのに対し、スバルが使っているのは、五十をとっくに超えてそろそろ百になりそうだ。 「よし、終わったよ。完璧に術式を詠唱できたから、魔法の効果はもう出てるはず。」 スバルの使った魔法の術式の単語は合計九十六。僕が知っている中で一番長い術式だ。レンによれば通常これほど長い術式を正確に使える人はほとんどいないそうだ。確かにスバルは普通ではないから、こんなにも長い術式の魔法を使えたのかもしれない。
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