序幕

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序幕

時は改革盛んな明治時代。 東京に住む(*1)族、鷹司家の子息が(かどわ)かされる事件が起きた。警察の捜査も虚しく、(よわい)五つの幼子を示す痕跡は何一つ出てこない。しかし、それから一年後。淡雪の中、石川県金沢市で鷹司の苗字を名乗る子供が保護された。少年の右眼は何も語らず、ただ(あお)く瞬いていた。
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