はじまりのキス
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冷たい風が、わたしの髪を揺らす。 その場に立ち尽くしているわたしは、風の冷たさで震えているわけじゃない。 視線の先には、今し方わたしをフッた男子の後ろ姿。 だんだんと視界がぼやけていくのがわかるけれど、足が動かなかった。 涙が、頬をつたう。 「…ッ」 声は出なかった。 と言うより、出せなかった。 悲しくて、悔しくて、辛かった。 それくらいは、わたしは彼のことを好きだった。
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