はじめに……(つまりは序文として)

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酒場は酒を出し、客は酒を飲み、時に語り合って過ごすだけだ。 とある植民惑星(コロニアルプラネット)の、とある港湾都市(みなとまち)の、とある小さな酒場(バー)の、何てことのないいつも通りの日常を、これから少し書き残していこうと思う。 もちろんここは酒場なのだから、当店の酒棚に並ぶ酒を紹介しがてら。 この記録をいつまで続けるのかも分からないし、実際、僕も気の向いた時に書くだけだろうから、皆さんも気の向いたときに読みに来てくれたら良いと思う。 僕の店に集う名もなき人生が、僕が書き記すことで何処かの誰かの記憶に残ったなら。 もしもそれが、遥か遠くの星の彼方の、我らが人類の母星に住まう誰かなのだとしたら。 それだけで僕は、充分に嬉しい。
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