第七章 自覚

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第七章 自覚

この4限で今日は終わりだ、と教養科目を受けていた。 「あのチェックの服のやつって、最近守屋と話してるよな。」 後ろからのこの声は同じ学科の人っぽい。 「ああ、お情けで話しかけてやってんじゃね。」 「ありえる。つか絶対そうだろ。」 自分は人に嫌われるのが常なんだ。 改めて忘れさせないかのごとく、再認識させられる。 確かに守屋は優しいやつだから、十分ありえるし、 友達がいないのをみて、事故の罪悪感も重なって週末に店へ誘ってくれたのかもしれない。 どうして守屋が関わってくるようになったのか深くは考えないようにしてたけど、やっぱり…… 心をふらつかせて、川沿いを自転車でこいでいた。 反対側はオレンジが燃えるような夕日が広がっていた。 自分に価値があることを夢見てたけど、やっぱり魅力なんて何もない。なにも役に立たない。 ぼんやりと橋をわたる
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