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第九章 日ざしを浴びて
学外実習に向けて、プレゼミでそれぞれが調べるところを割りふられ、発表することになっている。
守屋とは偶然にも同じで、昼ご飯のあと
石の棟と呼ばれる建物の三階の共有スペースで他のプレゼミの人と一緒に座って話していた。
全員顔は知ってはいたが、どうしたらいいかわからず、
申し分程度にすこし頭を下げて、皆がいた反対側の長椅子に座った。
別のレポートのための本をおもむろに取り出して、読んでいたら、いつのまにか守屋が来て、覗きこんだ。
「何の本?」と聞かれたから、めくって表紙を見せた。
「どういう本?」と聞かれ、中国農村についてと答えたら、
「ああ、現代中国論のやつか。俺は明日読むところ。」と。
なんでもない話だけど、僕にとっては話しかけてくれたことがうれしくて、やさしいなぁと思った。
まだ、あの気持ちはあるけど、ひとまずおいておくことができていて、にこやかに話した。
外は白い雲が青空に浮かび、強い日ざしが建物や草木を照りつけていた。
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