第十三章 情報の茂利先生

1/1
前へ
/154ページ
次へ

第十三章 情報の茂利先生

「今日はすこし早いですが、期末レポートの説明をします。…」 午前一限の茂利先生講義。暑くなってみんなも夜は寝苦しいのか、心地よい先生の低い声とクーラーでスヤスヤしているのが数名。 守屋は首をウトウトさせていたので、横から脇腹をこしょぐる。 はっと顔をさせ、悪いな、とニッとした顔をみせる。 二年生の春、第二外国語と情報がかぶって、指定の時間とは別の時間に移動するということを相談した。 手間取らせてしまうだろうなという顔で先生に話したら、 「君は悪くない。」 とはっきりと諭すように言ってくれた。 僕を肯定してくれる言葉自体に、とてもうれしく思った。 それから先生のことが気に入ってる。 たぶん、あと20歳くらい若ければ、恋してたな。今も十分魅力的だけど。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加