第十四章 君は

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第十四章 君は

涼しい図書館で、レポートに使う本を読んでいた。 第一ステップのテーマ決めが終わったので、眼をぎょろぎょろ、立ったりかがんだりしながら探す、本探しは終わっていた。 お昼前後は、他の人が寝たりしていたりスマホをいじってたりと、良い環境とは言えないが、午前中や日が傾く頃だと、人もすくなく、集中しやすい。 文字をおって読んでいると、肩にポンと手がおかれた。 「ちょっといいかな。」 それは、昨日みたどっかの委員長、黒のミディアムヘアの青年。 肩の手が、あまりにも優しくふれられたから、思わず体がぴくっとした。 「えっと、なに?」 「あっちでお話したいことあるのですが、きてくれませんか?」 そういうと、図書館内の、小会議室を指し、僕の右手を握って、少し引っ張るように向かっていった。 中にそのまま入る。 すると彼は自分の体を扉と僕の間にするりと入れ、あれという間に鍵を閉めた。 「……!」 そのことに驚いて声が出ないまま、強く両肩を押された。 上半身が後ろに倒れ、部屋の中央の丸テーブルに、仰向けになるように倒される。 「ちょっと、何を。」 しかし、彼の顔は口を閉じたままで、表情はかたい。 恐怖を覚えずにはいられない。 足は彼の足に挟まれて動けない。
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