第十六章 建物の裏で待ち合わせ

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第十六章 建物の裏で待ち合わせ

授業が終わって、片付けをし始めていると、 守屋が 「さっきの話だけど、東海林っていう大学に詳しい先輩がいるからその人に聞きや。 いろいろ大学について知っているみたいだから。今からラマルンで連絡しようか?」 まじか。 「うん、よろしく。」 ヒロに聞くしかあとはないなと思ってたから助かった。 しかも知り合いみたいだし。 「えっと、『先輩実は俺の友達で、風紀の仕事について他にないか知りたいっていう子がいるんですが、なにか知りませんか?』っと。」 口にだしながら、打つ。 「あ。来た。『知ってるよ。できれば直接会って話したいです。 C-2の建物の入り口裏側で待ってる。』って。 えっと、時間は……『午後からで、あとはお任せします。』だって。」 「裏側っていっても、暑いよね。 4時からでってお願いして?…それにしても、スマホじゃだめなことなのかな?」 「話が長くなるんじゃ?」 「そうなのかな。なんか時間とってしまって恐縮。」 「恐縮までしなくていい(笑)。」 その後、午後4時ごろになったのを見計らって、C-2の建物裏へと向かう。 そこは、食堂や中庭があるところよりも、少し離れた場所にあり、ゼミ生しか使わない。 少し早めに着いて、あたりをきょろきょろする。 今いる建物裏は、建物が南に面して東西に細長になっているため、ずっと日陰になっているようなところだ。 建物のまわりの側溝は、緑の苔がへばりついている。 そして建物の北側には、屋外用の劇場がある。 ちょうどこちらの方向が観客側で、ステージが見える。 以前は演劇部が使っていたようだが、今は文化祭くらいしか使われない。 しかし掃除が行き届いているようで、役者がそろえば、今すぐにでも行えるような雰囲気だった。
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