第十六章 建物の裏で待ち合わせ

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しばらくして、人が落ち葉を踏みしめながらやってきた。とりあえず会釈。 「…君が梅ちゃんかな?」 おい守屋、と思いながら、返事。 「はい、そうです。東海林さんですよね?」 「あ、うんそう。さっそくだけど、質問の答えを言うね。結論から言うと、私もよくわからないんだ。」 「へっ!?」 てっきり重大な秘密があるからわざわざ直接話すのだと思っていたのに。 「期待させてしまってすまない。 今年から生徒会と風紀ができたのは知っているとおもうけど、なかなか情報が漏れないんだ。」 早口で話す。 「いや、生徒会ではなくてイベント実行委員会ですよね?」 「ああ。そうだけど、その委員会の活動内容の実態は高校のころの生徒会とほぼ変わらないから、生徒会だって、私を含む同じ高校出身者そう思っている。 まあ、正確には各部・サークルの予算決定権とか学校の運営には直接に関わってないから、そっくりそのままじゃあないんだけどね。」 「そうですか。」 「でも、風紀の仕事をすこしは教えてあげる。」 ホント!?と目を開く。 「ズバリ大学の監視だろうね。 交通違反者を取り締まる権限があると言うことは、同じ学生であっても、立場が大きく違う。これは君もなんとなくわかっていると思う。 あとまだわからないが何かを守っているらしい。」 「守る?」 「それがどういうものかはまだわからないんだけど、とても重要なものみたいだ。」 「…そうですか、教えてくれてありがとうございます。」 ふるふると先輩は首をふる。 「はっきりした情報じゃなくてごめんね。じゃあ、行くから。」 手をひらひらさせて、やってきた道を戻っていった。 なにかを守っている…か…。 それが僕と関係があるとふんで、あの委員長もとい会長は警告したのか? 風紀を廊下でみかけたのも、偶然じゃないのか? ますますわからなくなってきたかも。
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