第一章 いつもと変わらない日常(?)

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明くる日、守屋はいつものようにわいわいしていた。ホントに昨日はたまたまだったんだなぁと納得しながら、すこし寂しい気持ちに。 とにかく前のほうの3列目に席を見つけて、 どさっと黒い大きな肩掛けバッグを隣の席におき、席に着いた。 またむやみにケータイを起動させていると、トイレに行きたくなり、席を立った。 他のトイレで用を足すときはなんだか旅館の部屋に入った時と同じ新鮮さ、には劣るものの、感動がある。 新築に多いのっぺらぼうの、画一的なつまらない家が最近はおおいが、トイレに関してはいえばそれぞれ個性があり、楽しい。 トイレを楽しんで、講義室にもどった。窓の外の、木の葉の間からみえる空を見ながら、 雨は降らないかなと余計なことを考えながら、意気揚々と(外面にはでていないが)席に着こうとした。 段々になっている学生側の席に行こうと二段目に差し掛かった時に、 守屋が友人に指をさしながら後ろ歩きで来た。 自分の世界に入っていたぼくは、楽しげな笑い声で目の前のことに気づき、避けようとした。無駄にあわてすぎたせいか、 ぐにゃりと足を踏み外した。 足ひねったっ!!だけでは終わらなかった。
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