第一章 いつもと変わらない日常(?)

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「えっ、いやーそれは勘弁。」 と手を前にして笑いながら言う。それから、 「いや、でもなにか弁償的なことをせなあかんなー、うん。」 と一人腕組みして納得のポーズ。 「よし、じゃ、パシリ券5枚発行で。」 守屋の軽い口調と親しみやすい人柄にじょうじて、冗談が自然とでてくる。 「えーいやだよ。」 「じゃあ3枚発行。」 「いや、減らしても嫌だし。」 「んー、じゃあパフェおごって。」 「喜んで。」 にこっとして承諾した守屋の屈託のない顔。これで清算しておわらせたいんだなと、ごまかすようにも見える表情に笑みがこぼれた。 一緒に、それ以上の感情もごまかすよう、笑みに隠して。 「パフェ楽しみ!熊谷のデラックスフルーツパフェや法蓮の抹茶白玉パフェと、」 パッ。 守屋の手のひらが僕のしゃべる口をさえぎるように、手を口にかざす。 「どんだけ食うつもりや。」 おどけて「じゃあ、他に何をしてくれるのー」 と言うと、守屋は 「ふ、友達にになってやろう。」 「・・・っ!ウゼー。」 動揺を隠そうとしたが、顔の方までは意識が届かなかった。 ゆるんだ笑顔で守屋は右手を差し出した。
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