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私はイライラしながら、備品庫に向かった。
後ろを久住がついてくる。
備品庫に入ると、一番奥の私の管理している備品の場所に入った。
もともとそんなにきれいになってはいなかった場所だけど、私が引き受けてから、自分が判るようにしか整理していないから、人に説明なんて面倒だし、その相手が暗くてハッキリしない久住だから、余計に嫌な気分だった。
私は、ぶっきらぼうに説明して、手早く済ませようとした。
脚立に上って、少し上の方を見ようとしたとき、元々ぐらついて危なかった脚立が倒れそうになった。
私がもう少しで落ちるというところで、久住が抱き止めた。
まるでスローモーションのように、いつもは見えない久住の目元が見えた。
『ドキッ』
今まで止まっていた時計が動き出したかのように、心臓が脈を打ち始めた。
『ナニ、コレ??』
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