序章

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序章

ザァー 雨だ、雨はあまり嫌いじゃない。確かに、傘をささないと濡れたりするが雨の音を聞いていると自然と心が落ち着く、とはいってもそれは悪魔でゆっくり歩いている時だけで急いでいる時はそんな事思っていられない、そう例えば、学校に遅刻しそうな時など、そして今俺はその状況になっている。 家をでてからほぼ一度も足を止めずに走っている。 学校が始まるのは8時30分それ以降についたら遅刻扱いだ、これがまだ中学校一、二年ならいいが三年はまずい。ただでさえ授業中は寝てしまうことがおおいのにこんな頑張ればなんとかなる事で内申を下げるのはまずい。 走る足を止める。 「このタイミングで赤か」 目の前の信号を見るとそれは赤く光っていた。 少し焦る。しかしこの信号は普段、車が少ない ふと周りを見渡してみる。 誰もいない。 「よし」 意を決して一歩足をふみ出した。 その時右の方からでかめのクラクションが鳴った そちらを見るとトラックがこっちに走ってくる。 とっさに出した足を戻した。 「あぶね」 そう口からこぼれた。 「てかさっきの運転手よく気づいたな」 と、ぶつぶつ呟いていると気づいたら信号が青に変わっていた。
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