ファイル「北アルプス奥穂高岳 登山者22名 遭難事故」

5/7
前へ
/7ページ
次へ
「(班長)要救助者がいなくなったって、県警さんが」 「(副主任 薗浦)えっ、じゃぁ、サイボーグ、呼んでも意味なかったってことですか?」 「(班長)この様子だと、そのようね」 「(副主任 根本)えっ、じゃぁ、でも、どこいっちゃったんでしょうか」 「(隊長)あっ、どうも、みなさん、ありがとうございます。緊急連絡をしてきた女性、無事です」 「(班長)えっ?な、なにをおっしゃってるんですか?無事って?」 「(隊長)あ~、すいません、ご連絡していただいたおかげで、今、ニノ湯典子さんが、安曇野赤十字病院にいます。これから入院、手当を受けます。命に別状はなさそうです。他の遭難者の方々も、次々に搬送されてきています。やはり、命に別状はなさそうです」 「(副主任 薗浦)あの~、でも、自分、さっき本部に連絡したところでして、ほんの、もう、まだ、20分も経ってないです」 「(隊長)はぁ?そうなんですか?えっ、だって、あっ、そっか、サイボーグの相談してからもそんなに時間、たってないですよね?」 「(班長)えっ?あ~、どれくらい?」 「(副主任 薗浦)えっと、自分が降りられないって言って、あがってきて、隊長が時計見てて、それが14時21分」 「(副主任根本)えっ!?だって、いま、37分じゃん」 「(副主任 薗浦)ありえねぇーし、ん?マジか?ほんとに?だって、こっから安曇野って、20キロメートルくらいだろ?」 「(副主任 根本)じゃぁ、15分でひとりか、ふたりを、ここから安曇野までってか」 「(担当官)普通は東京から来るみたいですよ、サイボーグ」 「(副主任 根本)えっ、じゃぁ、もっと短く、ひとりかふたり、かぁ」 「(副主任 根本)あー、やったんだぁ、ついに、ついについについに!うそっ、マジか!?22人全員!?救助するのか、サイボーグが?」 「(班長)まったくね、国会で、もめにもめるわけだ、なるほどね、たいしたもんだぁ、こりゃぁ、まいった、あははははっ」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加