第1章

10/34
前へ
/34ページ
次へ
真っ暗な空が一気に鮮やかなキャンパスに変わる。 ビールを飲んでキレイな空を見上げて、隣にはアキさん。 なんか、こんな幸せでいいのかなぁ。 なんて思いながらビールを口に運べば最後の一口。 隣のアキさんのコップの空っぽで、気付いたアキさんがあたしのと重ねて引き取ってくれた。 だからもう一杯と思っても、ここから動けばもうココには戻れない。 飲みたいのも我慢して花火を見る、というのも変な感じだけど仕方ない──。 「パパ、抱っこー! 下のが全然見えないよー」 「我慢して、ほら、大きなのが上がったよ」 後ろからまた子供の声が聞こえてきた。 確かに、この人の多さだと子供には全部をみることは出来ないと思う。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1285人が本棚に入れています
本棚に追加