第1章

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「しかも思ったより下の方まで!」 「高い階にして正解でした」 「え? もしかして花火のために!? ひゃあ!」 振り返ると、あたしのほっぺに冷たいものが当たって思わず声を上げてしまった。 「そんなわけ無いでしょう? 花火があることすら真由に聞くまで知りませんでした。とりあえず、どうぞ」 「あ、ありがとうございます」 触れたのは缶ビールで、あたしはそれを受け取った。 「わぁ、ママ見て! ドラえもんの鈴だよね!?」 下の階の人も同じようにベランダから花火を見てるんだろう、そんな声にあたしも花火の上がる方に視線を戻した。
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