第1章

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いくつも上がる小さな花火は、確かに鈴の形をしている。 「あ、リボン?」 あたしの声に続くように下の階からも「リボンだぁ!」と聞こえてくる。 「正解みたいですよ?」 クスクス笑うアキさんに「もうっ」と頬を膨らませた。 まるであたしも同じ子供みたいじゃん。 って、アキさんはきっとそう思ってるんだろうけど……。 「ほら、さっき買った残りですけど」 「いただきまーす! うん、美味しい♪」 会場で買ったポテトに手羽先餃子。 すっかり冷めてるけどやっぱり美味しい。 「あ、足りなかったら何か作りましょうか? これじゃお腹いっぱいには──」 あたしの口をアキさんの人差し指が塞ぐ。
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