第1章

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「花火、見ましょう? それは後で問題ないですから」 パラパラと花火が落ちてくる音がする。キラキラと最後の光を放つ花火がアキさんの瞳に映って……。 「ほら、こっちですよ」 「わ、分かってますって!」 分かってるけど、見惚れてしまった。 アキさんって、美人だ。勿論男の人だって分かってるけど、美人としか形容のしようがない。 テレビに出てるちょっとした俳優なんかより、きっと目を引く存在だと思う。 「あ……」 「なにか?」 「い、いえっ」 背中に、アキさんの体温を感じた。あたしのすぐ後ろにアキさんがいる。 なんか、変に意識してしまって喉が渇いて、あたしは手に持ってるビールを一気に飲み干した。
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