第1章

17/34
前へ
/34ページ
次へ
「それ、もう空でしょう?」 そう言ってアキさんがまた冷たい缶ビールを開けて渡してくれた。 「あ、ありがとうございます」 お礼を言ってまたそれに口を付ける。 断続的に上がる花火、なぜかあたしの胸まで不規則に胸を叩いてる。 「真由が自分で着付けとは――」 「ひゃあ!」 うなじにいきなりキスをされて、思わず声を上げてしまった。 「少し見くびってましたね」 「ゆゆゆゆゆ、浴衣の着付けくらいならっ」 「でも、少し崩れてますよ」 「だだだだだだって、歩いたらっ」 「ちゃんと着付ければ崩れません、が……」 「ふぁ!?」 今度は耳たぶを甘く噛まれてふらついてしまった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1285人が本棚に入れています
本棚に追加