第1章

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だけどあたしの体はもうグズグズで、そのまま床に座り込みそうになるところを、アキさの腕が引き上げて、そのまま抱っこしてくれた。 「花火は堪能したか?」 花火? あぁそうだった。 ずっと花火を見てたはずなのに。 夜空を見るけれどもう花火はそこには無く、薄っすらと煙っているのが分かるだけ。 下から聞こえていた親子の会話も聞こえず、多分部屋に戻ったんだろう。 だって、暑い。纏っている浴衣ですらじっとりと汗で湿ってる。 そして抱き上げるアキさんの首筋にも、汗が一筋流れてた。 「ひゃん!」 部屋に入ると、あたしは本革のソファーの上に落とされた。
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