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だけどあたしの体はもうグズグズで、そのまま床に座り込みそうになるところを、アキさの腕が引き上げて、そのまま抱っこしてくれた。
「花火は堪能したか?」
花火? あぁそうだった。
ずっと花火を見てたはずなのに。
夜空を見るけれどもう花火はそこには無く、薄っすらと煙っているのが分かるだけ。
下から聞こえていた親子の会話も聞こえず、多分部屋に戻ったんだろう。
だって、暑い。纏っている浴衣ですらじっとりと汗で湿ってる。
そして抱き上げるアキさんの首筋にも、汗が一筋流れてた。
「ひゃん!」
部屋に入ると、あたしは本革のソファーの上に落とされた。
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