第1章

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今は無理でも、今から少しでもアキさんに釣り合う人間になりたい。 そうなれるよう、努力しよう。 そう考えて、あたしはアキさんの手をぎゅっと握った。 でも、あたしの努力だけではどうにもならないこともある。 「……」 「ちょっと、困りましたね」 アキさんが苦笑いで言うとおり、ちょっと困った。 二人とも片手にビール、あたしは反対側に唐揚げ持って、アキさんは手羽先餃子を持っている。 そんな状況だから手をつなぐことも出来ない。 無料の観覧席は当然ギュウギュウで、座るなんて出来なければ隣の人とは少し動くだけで肩が触れちゃう距離だ。
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