第1章

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「きゃっ!」 「あ、すみませーん。ちょっとどこに居るってー?」 後ろから入って来た人にぶつかられて、よろけたり。 「大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫です。ゲタだからちょっとよろけちゃって」 ヘラっと笑ってみせるけど、アキさんは心配そうにあたしを見てる。 その瞬間、アナウンスが始まって小さな歓声みたいなものが上がり始めた。 「ほら、始まるみたいですよ?」 そして、最初の花火が上がった。 ドーンと大きな音が胸に響く。 「スゴーイ!」 少し後ろで子供の声も聞こえてくる。 パラパラと落ちてくる花火の欠片。 「キレイ、ね? アキさん!」 そう言うと、アキさんも笑顔で「そうですね」と答えてくれる。
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