■18時00分~ 3年特進クラス 桑名しえり

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美紅ってここに来る前は、すっごい田舎に住んでたんだ。 町に高校がひとつしかなくて、全校生徒がみんな幼馴染みなの。 小さい頃から一緒にいて、家族みたいなものだから 好きとか付き合うとか、一切なかったんだって。 そんな美紅の目には、砥上が都会の王子様に見えたんじゃない? 顔だけはいいからね、あいつ。 美紅が砥上を意識してるのは、すぐにわかった。 だから砥上に言ったの。 美紅と付き合ってみなよ、お似合いだよ、って。 そのときの砥上? いきなり殴られた犬みたいな顔してた。 でもまさか、ほんとに告白するとはね。 あいつ馬鹿だから、あたしの言うことなんでも聞いちゃうの。 そのあと? 意外と仲良くやってたよ。 美紅は悩んでたみたいだけどね。 砥上に女として見られてない、 本当に自分のことを好きなのかわからない、って。 だからいろいろアドバイスしてあげたし、協力もしてあげた。 美紅って素直だから あたしの言うこと、なんでも真に受けて なんでも一生懸命実行して ほんと可愛かったよね。 あんな可愛い子、他にいないよ。 大好きだった。
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