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何かがおかしい。
その『勘』は、当たっているような気がする。
カメラを構えると、去っていく車の後ろ姿を一枚、写真に収める。
「どうしたの?」
不思議そうに春山が大池に問いかける。「いえ――」
「笑ったような、気がしたんです」
「笑った……?」
「車に乗り込む瞬間、ちらっと」
「……ふぅん」
春山の瞳がきらりと光る。
「確かに君の言う通り、これは何か裏があるかもしれないね」
「ですかね」
「ちょっと話を聞いてみようか」
「え?」
先輩記者がにやりと笑う。「先輩に任せなさい」
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