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アイスクリーム屋で向かい合っている結子と南美。
「うふふ。結ちゃんがアイスクリーム」
チョコチップをなめている結子に、笑う南美。
「何がおかしいのよ」
「辛い物しか食べないのかと思ってた」
「あんたは甘い物好きなのね」
はたと気がつく南美。
「やだ、これだから太るんだ……どうしよ、これ、食べない方がいいかな?」
南美、食べかけたトリプルのカップアイスを凝視。
「好きにしたら? 食べたいなら食べる、痩せたいならやめる」
南美、グッと詰まってアイスを見つめる。
「――食べる……」
だが、その食べっぷりはさっきとは打って変わって遅くなる。
「結ちゃんて、ホントに野球嫌いなの?」
「そう言ったでしょ」
「そうは見えなかったな。あれだけ嫌われてボロクソ言われても頑張るんだもん」
「で? 携帯が通じなくて、松本っちゃんの会社に電話して行き先の見当をつけてもらって、わざわざこんなとこまであたしに会いに来た理由は?」
「……うん。キャッチャーの話」
「ああ。あれ、ジョークよ」
「え?」
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