2度目の、夏

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昼休み。私はクラスメイトの茜と雪絵と一緒にお弁当を広げていた。 いつものように他愛もない話。 ドラマの話をして、ネットニュースの話をして、夏休みの話をした。 「あ、そうや、休みといえば!」 茜が思い出したように話を始めた。快活な茜らしい元気な口ぶりで続けた。 「先週の日曜、1組の陽子がみたんやと!」 「見たって、なにを?」 雪絵が眼鏡を直しながら聞いた。 「1組の高橋裕介!」 私の胸はどきりとした。 私の秘密の恋人の名前だった。無意識に口をつぐんだ。 「裕介くんがどうかしたけぇ?」 「女の子と歩いてたんじゃと!」 「え、ほんま!」 茜と雪絵は盛り上がっている。 それも無理はない話。裕介は学年でも1番の人気がある。テニス部で、成績も良くて、爽やかで誰にでも優しい。一度女の子といればすぐ噂がたつ。だから恋人だけど、秘密にしていた。 (女の子といた…ってことは私だってすぐ広まっちゃうかな……。) 心臓の鼓動が速くなるのを感じた。 でも、その心配は杞憂だった。
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