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「あんたの望みは受けたということだ。佐竹広臣の娘、雪。仇討ちだろう?」
「何故、それを!」
「知れたこと。お前の父からの頼まれ事をしていてな。それがお前の仇討ちと同じ敵なのだよ」
「……父は知っていたのか。相手が誰なのか……」
「津上屋の次男、お前の父からの棒叩きの刑を恨んで農民に佐竹の悪評を植え付け、灌漑の邪魔をしていた。農民が豊かになっては借金の型の人身売買も出来なくなるからな」
「……お前は、どこまで知っている?」
「今、話したことが全て。知らなかったろうがお前の父には世話になった。俺にも仇を討つ大義名分がある」
私の目から涙が溢れる。
「父は慕われていたのだな……」
「間違いなく名君だ。さて、行くか」
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