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相手が上段に構えようものなら、それより素早く喉元を突き、中段に構えようものなら長刀で刀を払い腕を切り落とす、下段に構えようものなら隙の出来た胸を一突き。
一切の容赦がなかった。
「雑魚じゃ俺に敵わねぇよ」
そのまま雄造は奥に入っていく。
雪もあとから、ついて行く。
そして、暗闇から一人の男。
雪は叫んだ。
「そいつだ!」
憎い父と母の仇。
雄造は、長刀を構える。
「あんた、出来るな……」
憎い仇は、ニヤリと笑う。
「おやおや。本当に仇討ちに来たのか?待ってろ。すぐ終わらせて、また抱いてやるからな」
その言葉は雪に向けられたものだ。
それに呼応したのは雄造だ。
「何、俺の女を抱くとか言ってんのさ」
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