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仇が刀を雄造の長刀にぶつける。
かちんと火花が上がる。
雄造は、その刀を押し返し、さっと下手に持ち変える。
雪にははじめて見る刀の持ち方だった。
仇はさらに上段で踏み込みが、雄造は脇に出来た隙をぬぐって脇腹を斬り付ける。
仇の衣服は斬れたが、すんでのところで下がる。
雪の目には、雄造の優勢に見えるが、ちらちらと雪を見る仇に恐怖を覚える。
仇は、また笑う。
「こんな幼子と繋がったのか?お前も相当、好き者だな」
「しゃらくせぇ。あんたなんかに奪われたのが、どうにも許せなくてよ」
雄造は、下手に長刀を持ったまま、腰を低く構える。
「終わりにしようぜ」
「望むところ!」
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