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急いで動きたいのはやまやま。だけど、事後の後でまだ、うまく体が動かない。
もう少し、純に甘えていたかったのに……。
どうしてか急いでいる純に気を使い、ゆっくりとバスルームへ向かった。
シャワーを浴びて出かける支度を終えると、純はもう玄関の方にいた。
「一体どうしたの?」
シーッと人差し指を唇の上に乗せられ、思わず指に視線を向けた。
そっと玄関のドアを開ける純は、腰を低くして、空いたドアの隙間から顔を出している。
状況を一向に説明してくれない純に流石にいらついた俺は、勢いよくドアを押し開けた。
「あぁ!!!」
大きな声を上げて、ドアを見つめる純。それを横目でシレットした表情を見せる俺。
「出かけるなら早くいこう。買いたいものがあるんだよ。」
いつものように、エレベーターの方へ向かう俺の後ろから、慌ててついてく純。
別に説明してくれなくてもいいけど、隠し事をされている気分で嫌だな……。
むくれた顔は純に見せないように、平静を装った。
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