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まぁ、興味があるのはわかるけど、オープン過ぎるというか……。
少し距離を取ろうと離れると、カランッと入り口のドアが開いた。
サボテンを持った店員さんが、それを持ったまま「いらっしゃいませ。」と声をかけに行ったところでようやく純が隣に来てくれた。
「あんなサボテン、絶対買わないからな。」
「え?匠なら買ってくれると思ったのに。」
残念がる純を横目に、新しく入った商品に手を伸ばしてみた。
入り口では、先ほど来店した客と店員さんが、早速仲良さげに話をし始めている。
「こんなところに、こんな風変わりな雑貨屋があるなんて、知りませんでしたわ。」
「あ、お兄さん、この辺の人じゃないんですね。」
「ちゃうよ。俺出張できてん。ってかホントは、昔の恋人の事が忘れられんくて、追いかけてきてしまってん。」
聞き覚えのある関西弁に思わず視線をそちらに向けてしまった。
「やぁー未練たらしくないですかぁ?でも、それだけ素敵な人だったってことですね?」
「そやねん。むっちゃええ奴やねん。そいつも、こんな雑貨屋やってたなぁ……」
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