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「お?おぉ?!!!純!!やっぱここお前の店やったんなぁ!看板見て吸い寄せられたわ。」
喜んでいるのは、この関西弁の、虎太郎さんだけ。
え、ちょっと待って……。さっき店員さんと話をしていた昔の恋人って……。
頭の中がぐるぐると回り始めた。
この人は、もしかして、純の――――。
「匠?昼休みもう終わっちゃうんじゃない?大丈夫?」
ハタと純に声をかけられ、我に返ると切ない表情を浮かべた顔と目が合った。
どうして、純が、そんな顔をするの―――――。
あの時感じたチクッとした痛み、やっぱり正解だったんだ。
「そう、だね。うん、いかなくちゃ。」
「えぇ、お兄さんもう行っちゃうん?」
「お前は、いいから……。じゃ、また後でね」
虎太郎さんの制止を振り払い俺は、急いで店を出た。
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