異形とこの世界

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奴らの目的はこの世界を乗っ取ること。人間に対する下克上を叩きつけてきた訳だ。 もう察しているだろうが、その残った二人の兄弟というのが俺、赤(セキ)と弟の(セイ)。 現在バーン退治中だ。 「赤!!そっち行ったよ!!」 「分かってる!!」 黒い犬型の獣が襲い掛かってくる。炎によって形作られた剣を召還し、敵を両断した。敵は燃え上がり、塵となって消えた。 敵を確認し、青の方に視線を向ければ周りのバーンの額にナイフが刺さっており、全て氷付けにされていた。 「はい。さようなら」 青が軽く触れただけで連鎖反応のように次々と氷となったバーン達は砕け散った。 だが、このバーンは使い魔に過ぎない。本体のヴァーリアント達が自分達のあまる力を練り上げて作った影のようなものだ。雑魚だが、一般人を余裕で殺せる代物だ。だからこうして俺達が狩っている。 俺の力は炎、青の力は水。せめて残りの土の力を持つ奴が欲しい。属性の相性は大事だ。俺は水属性相手だとどうしても力が弱くなる。青は土に弱い。 青が倒したと思った氷が僅かに動くのが視界の端で見えた。 「青!!」 青も気づき、即座に武器を構える。倒し損ねていたバーンがセ青に飛び掛る。そのバーンの額に青は氷で作り上げた短刀を突き立てる。 「嗚呼…。この殺したって感触…最高だよね」 霧散していく敵を見ながら恍惚な笑みを浮かべる弟。少々変体気質があるのは認める。悪い奴ではない…はず。 今は俺達二人しかいない現状の退治屋。 名を【患趣】カンシュ 命をかける覚悟を持った者のみを歓迎する。性別、年齢関係なく誰でも来てくれ。待っている。
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